金丸、高校新で初優勝
男子400mでスーパー高校生の金丸祐三(大阪高3年)が、今季日本最高となる45秒47の高校新記録で初優勝した。最後の直線でスパートをかけ、一気に上位をごぼう抜き。レース前の記録更新の宣言通り、自らの今季最高と高校記録を0秒22上回った。日本の男子高校生初のアジア選手権王者は、次なる目標にトラック競技で最古を誇る日本記録(高野進、44秒78)の更新を掲げた。
頭より先に体が動いていた。最後の直線。金丸の前には44秒台の外国勢らがいた。「もう余力はなかったと思います。でも、前に人がいると何もかも考えが吹っ飛ぶんで」。あごを上げ、首を振る独特の走法で加速した。ラスト50mでアテネ五輪6位のクラークや参加選手最高成績を誇るバード、世界選手権同種目代表の佐藤をとらえ、誰よりも速くゴールに飛び込んだ。右拳を高く突き上げた。
「ずっと前から、この大会で記録を更新しようとやってきました。0秒01でもいいと思っていたので、大幅な更新に満足です」。前日18日に18歳になったばかり。突然祝福されたレセプションの場では、45秒47の高校記録更新を堂々と宣言した。レースで締めた黄色い鉢巻きには青い文字で「有言実行」。その通りの結果に胸を張った。
3日のアジア選手権(韓国)の優勝以降は、軽めの調整に専念した。5月の大阪GPから文字通り走り続け、疲労がたまっていた。「300mを1本走っただけで、後はアップと軽い走り。だから走ってみないと分からないと思っていた」。だが、終わってみれば狙い通りの展開。そして、今年はまだ走り続ける。「何らかの記録会と国体、あと学校の体育祭で走ります」。おどけながら笑った。
昨年10月の国体で45秒台を出してから、着実に進化してきた。初の海外レースとなった世界選手権(ヘルシンキ)では外国語に戸惑って失敗。だが、続くアジア選手権では失敗を生かした。「おかげで(韓国では)リラックスできた。もっとレベルが上のレースを体験して、感覚を磨いていきたい」。来季は海外レースに意欲的に取り組む。
視線の先には91年に高野進が出して以降不変の44秒78の日本記録が待つ。記録更新に関して高野氏は「あと数年。時間の問題」と太鼓判を押す。08年北京五輪の星は「感覚に頼って走っている部分がある。焦らずゆっくりいく」と着実に歩を進めていく。 |